宇多田ヒカル

『PINK BLOOD』とは?宇多田ヒカルが歌詞に込めた意味を考察

宇多田マニアの筆者が、宇多田ヒカルの最新曲、『PINK BLOOD』の歌詞の意味の考察を書きました。PINK BLOODとは「両性愛者・同性愛の気質」という意味??宇多田ヒカルにとっての王座とは?などなど書いてます!

“Pink blood” =両性愛者の気質??

Pink blood

Pink blood

Pink blood

Pink blood

タイトルにもなっている「PINK BLOOD」とはなんなのか?ぶっちゃけこの歌において最大の謎はここである。

「PINK BLOOD」という単語で調べても出てこないので、PinkとBloodに分けて調べてみたところ、なんと、Pinkの文化的な意味として、両性愛(=バイセクシャル)や同性愛の意味があるそうだ。

ピンク(ラベンダー色)は、世界的に同性愛者のシンボルとして用いられています。

ナチスのホロコースト政策で強制収容所に入れられた者が胸に着けさせられていた逆三角形の識別胸章のうち、同性愛者を表したのがラベンダー・ピンクでした

ピンク | ゲイのための総合情報サイト g-lad xx(グラァド) (gladxx.jp)

そういえばMVでも0:20~から宇多田ヒカルを取り囲む人々がわらわら出てくるが、誰一人として性別がわからないし、誰と絡み合ってるのかもよく分からない作りになっている。

あれだけ多くの人間がわちゃわちゃやってるのに、誰一人として性別がわかるような部分(胸とか)が見えないようになっているのは、狙っているとしか思えない。衣装も髪型も狙ってユニセックスにしている。

ちなみに他の文化的なpinkの意味はこのサイトが詳しく書いてありますよ。

Bloodの意味は、

  1. 血・血液・活力の源泉・生命・樹液、
  2. 血気・ 激情・気質・精神状態・適性
  3. 血統・家柄・血縁

など様々あるが、上記の「両性愛・同性愛の」という意味のPinkにつけるなら、Blood=気質・激情(②の意味)と訳すかな?➀か③の意味だと、遺伝とか一族!って意味になって不自然だから。

なので、「Pink Blood」=両性愛・同性愛者の気質、激情なんじゃないかな??と、ひとまず推測。

深読みしすぎかな?という気もするが、”性別を取っ払った世界で、人を激しく求めあう様子”の、あのMVを見ると、あながち外れでもないのでは?という気もする。

また、宇多田ヒカルは過去にファンからの質問に対して、下記のように答えています。

ファン「ゲイがストレート(異性愛者・セクシャルマイノリティではない人)を好きになることについて歌うのって、ちょっとゲイに対するステレオタイプ(=先入観・偏見)だと思わない?」

宇多田「なんで私をストレート(=セクシャルマイノリティでない)と思ったの?」

私個人が翻訳してます。間違ってたら誰か教えてください💧

個人のブログで勝手に他人様のセクシュアリティを推測するのは無粋ですが、彼女にもきっとPink Bloodな部分があるんじゃないカナ~?と。

『Making love』とかでは「私が初めて惚れたオンナ♪」とか歌っちゃってるし、ほんのり本人も匂わせてるというか、、、本気で隠したいなら匂わせもしないよね、というか。

まぁ、宇多田がどっちかはどーでもいいんすよ、そこは深堀りせんでよくて……。ただ「そういう気質?が多少なりとも自分にもあるから、Pink Blood♪って歌ってるのかもネ!!」って話です。

ちなみに、ファンからの質問にこう答えている。(引用文におけるパイセン or 俺=宇多田ヒカル)

ファン:パイセンにとっての gender って何ですか?

宇多田ヒカル:俺にとっては、存在しないものかな。自分の体が女であることにずっと違和感を感じながらここまで来たけど、この回答を考えてて、男の体だったとしても同じくらい違和感感じるんだろうなって思ったぜ。

「#ヒカルパイセンに聞け2」Q&Aサイト (utadahikaru.jp)

曲のテーマは「テメ―の価値はテメ―で決めろ」?

誰にも見せなくても 

キレイなものはキレイ

もう知ってるから

誰にも聞かなくても

キレイなものはキレイ

もう言ってるから

誰にも見せなくても綺麗なものは綺麗=「わざわざSNSとかで他人に見せびらかさなくても、綺麗なものは綺麗でしょ。インスタ映えとかくだらん」という風に聞こえるのは私だけだろうか?

「もう知ってる」から、わざわざ人に見せて承認されようとしない。

まぁ確かにぶっちゃけ本当に人生が充実してる人って、SNS全然アップしてなかったりするよね笑。

ただ、次の段が少し謎。「誰にも聞かなくても綺麗なものは綺麗、もう言ってるから」って、”誰が”もう言ってるのだろうか?

「私、きれい?」って聞いてくる人に、「誰かに聞いたりしなくても君は綺麗だよ、何度もそう言ってるでしょ?」みたいな意味なのかな?うーん、ナゾ。

ただ、この歌は「テメ―(=自分)の価値は自分で決めろ、テメーの人生は自分で決めろ。子供じゃないんだから、誰かに判断を依存するな」というテーマ?を全体を通して感じるので、「何度もそう言ってるでしょ?」っていう解釈だとなんか違和感があるのよね。他者の評価に依存してる感じになっちゃうから。

本人もビルボードジャパン掲載のインタビューで↓こう言ってるし…………

ーーそういう意味では、新曲『PINK BLOOD』(TVアニメ『不滅のあなたへ』主題歌)はもう一歩踏み込んで「周りなんて気にせず自分の好きなようにやるんだ」というさらに吹っ切れた印象を感じます。「王座になんて座ってらんねえ/自分で選んだ椅子じゃなきゃダメ」のあたりは、なんだか新たな次のステージへと進んでいく宇多田さんを見るような。

宇多田:そうですね、その流れにありますね。他者と自己の関係のバランスの中でなかなか自分というものに比重がいっていない傾向にあった私が、自分がそれまで依存していたものを断ち切っていって自分で自分を肯定しアイデンティティを探していくという、「自分って何だ」ていう普遍的な話なんですけど。

<インタビュー>時代、そして自分自身と向き合いながら。ポップミュージックの最前線を更新し続ける、2020年代の宇多田ヒカル | Special | Billboard JAPAN (billboard-japan.com)

宇多田ヒカルってもともと主観が薄い人というか、「自分とは?私は何をどうしたいのか?」がぼんやりしているんだよね。インタビューとか読んだ感じ。本人も自分で認めてるけど。

彼女は、音楽の世界では、自分で音も歌詞もアレンジも全部自分が決めるけど、それ以外において「自分がどうしたいのか」という感覚が薄い。願ったって(=主観的になったって)どうせ叶わないから。だから自分が完全に支配できる世界(=音楽)以外は「どうにでもなれ」みたいな諦観が強い。

が、最近は「それじゃダメだ。自分をわかってないのなんて子供だ」と自分に向き合うようになったというか、自己理解に励むようになったようなのよね。

他人の表情も場の空気も上等な小説も

もう充分読んだわ

私の価値がわからないような

人に大事にされても無駄

自分のためにならないような

努力はやめた方がいいわ

ざっくり意訳すると、

もう散々、空気も顔色も教養?とか言われるものも読んだわ~、めんどいわ~

でもよく考えたら、私のことを考えてくれない・私を理解しない連中に大事にされても無駄じゃね?空気とか顔色とか読みまくった私じゃないと、大事にしてくれない人に好かれてもしょーがなくね?

そんな無駄な好感度のために頑張らなくていんじゃね?うん、辞めるべきだわ。精神衛生上よろしくない。

ほぼそのまんまですが、更に噛み砕くとこんな感じかな?と。

傷つけられても

自分のせいにしちゃう癖

カッコ悪いからヤメ

傷つけられたときに「……まぁ私が~だからそう言われても仕方ない」みたいに思っちゃうことあるじゃん?

「ブス!」って言われる→ガーン、ショック(……でも仕方ないのかも、私がブスなのはホントだし……)みたいな。

理不尽に対して、そんなアッサリ引き下がるな、という意味かと思います。日本人は極端に自罰的に考える癖があるしね……。

あなたの部屋に歩きながら

床に何個も落ちる涙

自分の価値もわからないような

コドモのままじゃいられないわ

自分の価値をわかってない=他人の評価でしか自分の価値を感じられない=子供という風に宇多田ヒカルは言ってるんじゃないかと思います。承認欲求がデカくて依存的、それは子供→親への態度である、と。

さて問題はその前の段よ。

なんであなたの部屋に歩く最中に床に何個も涙が落ちるんだ!!?「あなたの部屋を去りながら」ならわかるのよ?次の歌詞と合わせて、

「あなたに自分の価値を決めてもらわなくても、自分で自分の価値を決めるわ。心の穴を埋めるあなたを捨てる勇気を持つわ、自分を癒せるのは自分だけだから」

と、解釈できるから。

ちょっと……ここはナゾ。「不滅のあなたへ」を全巻読めばわかるかな・・・?

心の穴を埋める何か

失うことを恐れないわ

自分のことを癒せるのは

自分だけだと気づいたから

心の穴を埋める何か=承認欲求を満たしてくれるもの(恋人・友人・家族・SNSなど)?

なぜそれを捨てる勇気を持てたのか?

「自分のことを癒せるのは、自分だけだと気づいたから」

これと同義のことを、宇多田ヒカルは過去にインタビューで述べている。それが

「救済って他者の中に無いじゃないですか」(by 宇多田ヒカル)

プロフェッショナル仕事の流儀の中で言った言葉だが、その他の過去のインタビューから察するにこれは

「誰かがどんなに救いの言葉を言ったとしても、それを受けとる自分がそれを救いであると思わなければ救われない。結局、自分の心持ち次第だよね。自分を救うのは自分だよね」

という意味。

この「最終的には、リングでは1人だ」みたいな孤独と向き合う強さ、宇多田節を感じます。

この「自分を救うのは自分だよね」という宇多田節について、詳しくはこの記事で書いてます。↓

宇多田ヒカルは歌姫というよりは…歌巫女?私はどうしてもアーティストとしての宇多田ヒカルを歌”姫”だと思えない。というのも、彼女の創作活動はどこか神との交流っぽいからなのだ。だから姫というより音楽という神に仕える巫女なのだと捉える方がしっくりくる。...

サイコロ振って出た数進め

終わりの見えない道だって

後悔なんて着こなすだけ

思い出に変わるその日まで

「サイコロ振って出た数進め」=人生をコントロールするのは無理。運命なんてサイコロを振っているようなもので、つまりは。だから、

サイコロを振って(=とりあえず今日を生きてみて)、

出た数(=成り行きで)

進め(=生きろ)

終わりの見えない道だって(=どうなるかわからん人生でも)

後悔なんて着こなすだけ(=それもまた人生と思って受け止める)

思い出に変わるその日まで(=いつか「そんなこともあったな~」という思い出に変わる)

「後悔を着こなす」という表現がいいよね!宇多田の語彙力が光っております!✨

サイコロ振って一回休め

周りは気にしないでOK

王座になんて座ってらんねえ

自分で選んだ椅子じゃなきゃダメ

宇多田ヒカルも15歳でデビューして、ず~っと「休みたい休みたい」って言って、人間活動(=無期限活動休止)に入ったからね。

「1回休め、周りは気にせんでいいから」は働きすぎな日本人、現代社会人に対してでもあり、自分に対してでもあるのかな?

特に「王座になんて座ってらんねぇ」とか宇多田ヒカルっぽい。

みんながチヤホヤしてくれて、自分は音楽だけやっていればいい(&やっていなければならない重圧もある)という、アーティストとしての宇多田ヒカルの環境は、「王座」に似てるしね。

王座=「何もしなくていい、ただ○○だけしてればいいよ!」っていう環境。「お着換えから入浴まで我々がいたしますので、どうか政治とか国のことに集中して下さいませ、王様」みたいな……きっつ、息苦しいわ。

活動休止前のアルバムの曲、『Show me love』でも「山は登ったら降りるものよ♪」とか歌ってたし、「王座になんて座ってらんねぇ」という、なかなかに荒々しい言葉使いになってるのは、単純にメロディに韻を合わせただけでなく、本人に強い「座ってらんねぇ!」という気持ちがあったのだと思います。

執筆者:山猫

以前、「宇多田ヒカルは歌姫ではなく歌巫女」という記事で書いたのですが、あの人、絶対に王族向いてないんですよね。

”まあ確かに「国を背負って生きる!」とか一番向いてなさそうだ。「いつか死ぬとき、手ぶらがbest♪」なんて歌っちゃうくらい身軽が一番!という価値観をお持ちのようだし、20代前半のインタビューで彼女は「責任放棄願望がある」とか「部外者でいたい」と言っていたけど、王族なんて言っちゃえば責任の塊みたいなものだし。”(この記事より)

※『Pink Blood』の感想

近日中に書きます( ̄▽ ̄;)

とりあえず、配信されてすぐに書き始めて、、、もう真夜中でしんどいので……。

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おまけ

ちなみに「不滅のあなたへ」は、このサイトで第1~3話まで無料で試し読みできるよ。

フシは最初、地上に投げ込まれた“球”だった。

持っていたのは「刺激を受けた物の姿へ変化できる能⼒」と「死んでも再⽣できる能⼒」。

球から⽯、オオカミ、そして少年へと姿を変化させていくが、赤子のように何も知らぬままさまよう。

やがて出会う人々に⽣きる術を教えられ温かい感情を知り、人間を模して成⻑していくフシ。

宿命の敵・ノッカーとの壮絶な闘い、⼤切な人との別れ…痛みに耐えながら自分の⽣き方を選びとり、⼒強く⽣きるフシの永遠の旅を描く

ストーリー イントロダクション | アニメ「不滅のあなたへ」公式サイト (anime-fumetsunoanatae.com)

執筆者:山猫

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