書評

発音の勉強が重要な理由。勉強せずに話すと起こる惨事。

単刀直入に言おう。

もしあなたが将来的に英語を使うつもりで勉強しているのであれば、まず発音記号から勉強するべきだ。受験のために勉強しているだけで、使う予定が一切ないのであればこの記事を読む必要もない。

なぜ発音から勉強すべきなのか。

発音の法則・傾向がわかっている方が単語が覚えやすいというのもあるし、会話で通じるからという理由もある。発音が良い方がかっこいいし、聞き手にとってもありがたい。

だが何よりも私は、この記事を読んでいるあなたに「漏らしたヤツ認定」をされてほしくないのである。

しばし、私がパリ旅行中に目撃した、とあるおじさんの話を聞いてほしい。

↑私が使ったのは『DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本』です。

本当にあった怖い話

私はそのおじさんをパリ近郊の都市シャルトルへ向かう列車で見た。

見た感じ、中国人のおじさんで家族連れで旅行しているらしかったのだが、なんらかのトラブルにより車両内で車掌と口論をしていたのである。

どんなトラブルだったかはわからないが、おじさんがこう言っているのだけはハッキリと聞こえた。

アイワズ シッティング オン ディス シート!

恐らく、「俺の席はここだよ、ここで予約したんだ」とか「俺が座ってたのにコイツが座りやがったんだ」とか、そういった口論だったのだろう。上記のカタカナを英語で表記すると

I was sitting on this seat. だ。

しかし、なんという悲劇。おじさんの発音は「シ」の音をsではなくshで発音していたのである。故におじさんの発音通りに英語表記するとこうだ。

I was shitting on this sheet.

sheetは紙であり、shitは「糞・糞をする」という意味なので、この英語の訳は「私はこの紙の上にウンコしていた」となる。

私はこのおじさんの英語を聞いて、「発音を勉強しといてよかった……!!」と心の底から思った。このおじさんのミスは、sとshを意識していなければ自分でも十分やりうるなと思ったからである。

事実、私はこのおじさんと同じ発音ミスをした女子を大学で見た。その授業は洋楽を題材としており、その日は洋楽の歌詞を教卓の前で1人1人朗読するという内容だった。

彼女のお題はビートルズの『Penny lane』の後半パートで、その歌詞の中には

In Penny Lane the barber shaves another customer
We see the banker sitting, waiting for a trim

という一節があったのだが、彼女もshittingと発音してしまっていたのだ。結果、歌詞は銀行マンがウンコしながら床屋の順番待ちをしていることになってしまった。座ってただけなのに。

私のすぐ近くに外交官を目指している男子生徒がおり、shittingを聞いたときは2人で「おおぅ?!」となったが、クラス全体は凪のように静かだった。たぶんほとんどの人は気づいていなかったのだろう。

”そんなつもりじゃない言葉”が伝わってしまう

この1件で私が学んだことは、「間違った発音で話すと、伝えたかったことと全然違う意味で聞き手に受け取られうる」ということである。渡そうと思っていたプレゼントを渡せないだけでは済まず、別にチョイスしたつもりのない物が向こうに渡ってしまいうるのだ。

おじさんと話していた車掌は「え!ここでウンコしてたんですか!?」とは流石に思わなかっただろう。しかしこれは「流石に違うだろ」とわかるからであって、もし状況的におかしくなければ、発音に則って「ウンコしてたんだ」と思うだろう。

別の例だとworkとwalkは、どちらも「ワーク」と発音するが、母音の発音が微妙に違う。workは口を横に開けた「え・あ・お」が混ざったような母音だが、walkは口を縦に開けた「あ・お」の中間のような母音だ。

もしあまり意識せずボーーーっと発音したら、2つはかなり混同しやすい。下記のような文章なら、work・walkのどちらでも意味は通じてしまうので、誤解も起こりうる。

I want to walk in the afternoon.(私は午後、歩きたい)

I want to work in the afternoon.(私は午後、働きたい)

文法が少しくらいおかしくても話は通じるが、単語の発音を間違えると向こうが意味を推量するための材料が変わってしまう。こちらは「こんな少しの違い……」と思うかもしれないが、逆の立場になると如何にこれが問題かわかる。

私がマルタ島に留学していたとき、フランス人の女性と会話中、彼女が「日本のエロ・キティが好きなの!」と言ったのを聞いて「エロ・キティ?なにそれキューティーハニーみたいな?」と2分ほどモヤモヤし、はっ!!と気づいた。

「Hello Kitty!!?」 (無音のhか!!!)

フランス語ではHの音を発音しない。「無音のh(アッシュ)」とも呼ばれる発音のルールだ。故にフランス語だとhotelも「オテル」と発音する。

エロ・キティとカタカナ表記していると勘の良い人は「キティちゃんじゃね?」と気づくかもしれないが、実際に英語で会話をしていると気づけないもんである。

近くで一部始終を聞いていた先生が「だから僕は発音が大事だと言ってるんだ」と笑っていた。

この話は、「使うつもりなら」って話ね。

誤解しないで欲しいのだけれど私は「発音は完璧でなければならない」と言っている訳ではない。発音を気にしすぎて碌に話せない方が、コミュニケーションにおいてはよほど深刻である。

ただもし「英語を使う・使うかもしれない」という状況で勉強をしているのであれば、まず発音記号から勉強するのがいいよということだ。

せっかく一生懸命、文法を覚え、単語を覚えたのに、発音のせいで通じない・恥ずかしい想いをするのは虚しいではないか。

くどいが、英語を使わない・受験勉強のために勉強しているだけなら発音を勉強する必要はない。発音記号から勉強するというのは本に記載された口の形を真似しながら「あー・えー」とかやる、すごく地味かつ根気のいる作業だし、日本の受験では発音問題は最初に5~10問出るだけ、しかも配点も低い。受験勉強において発音の勉強はコスパが悪いのは、私もよーくわかっている。

しかし使うつもりなら話は別だ。発音と綴りの法則(=フォニックス)がある程度頭に入ると、音を聞いただけで綴りが想像出来たり、逆に綴りを見ただけで発音を想像できるようになる。単語の覚えやすさが段違いになるので、やるなら初期だ。

また人間は自分で発音できる音しか聞き取れないので、発音できるようになると、細かい音の違いを聞き分けられるようになる。発音の勉強はリスニングにも効果絶大なのである。

発音記号から勉強するのはめんどいし、めんどいし、めんどいけど、その効果はバカでかい。本当にデカい。

なにより私はあなたにsit(座る)をshit(ウンコする)と言ってほしくない。

発音を勉強しなくても、sitとshitの違いだけ忘れないでいてほしい。

そんな一心で書いた記事だ。

私が使ったのは『DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本』です。『英語耳』も同じような内容なので英語耳でもOkです。

執筆者:山猫

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