【歌詞の意味・和訳】宇多田ヒカル 新曲BADモードは「不安との闘い」の歌?

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宇多田ヒカルの新曲、『BADモード』について

  • 『BADモード』というタイトルの意味
  • なぜアルバムタイトルになったのか
  • 英語歌詞の和訳、意味
  • 個人的に唸った歌詞

などなど書いていきます。

目次

BADモードとは?タイトルの意味

Spotifyで配信された、宇多田ヒカル Liners’ voice plus で、宇多田ヒカルは

簡単に言うと、調子が悪いときとか、落ち込んでいる状態、そういう時期の人、状態。
絶好調であることの逆という意味で使っています。

Spotify 宇多田ヒカル Liners’ voice plus

と述べている。

絶好調の逆ってことは、BADモードは「絶不調」なのか・・・というと、多分そうではない。

絶不調が「調子が最悪」だとすれば、BADモードは「調子が良くない」。

微妙な違いだけど、曲やインタビューを聴いた感じ、たぶん後者のニュアンスだと思われる。

さて、ではなぜこの歌が今作のアルバムタイトルになったのか?

ズバリ、「いま、みんな調子が悪いから」だと思う。

ここ数年、全世界の人がコロナによって、

  • 出口の見えない不安
  • 孤独感
  • いろいろな制限による不満・イライラ

を少なからず感じていて、人類が全体的にBADモードだと言える。

宇多田ヒカルはSpotifyの配信で

この2~3年、私にとって一番大事なことが、私にとって大事な人たちとお互いにどう支えあうか?

家族でも友人でも、まぁよく知らない人でも……誰かが辛そうにしているとき、私に何が出来るのか?私はどうしてあげればいいのかな?っていうのを考えた結果も反映されているし。

……略……私自身が自分にどうしてあげればいいのかな?っていうのをいっぱい考えた時期でしたね。だからそういうことが歌詞に出ていると思います。

Spotify 宇多田ヒカル Liners’ voice plus

と語っていて、この曲が身近な人への歌だというのがわかるけど、

曲を分析したり、本人のインタビュー?を見て感じたこの曲のメッセージって多分、

微力ながら力になりたい

希望が見いだせなくてどんよりしていても、余裕がなくてカリカリしていても大丈夫。

不安や孤独感は一緒に分け合って、楽しいことをして今を乗り越えよう。

※楽しいこと=ネトフリ・UberEats、お風呂に入るなど。

こんな感じの内容で、これって別に君に対してだけじゃなくて、みんな(=人類全体)に対しても宇多田ヒカルが思った事なんじゃないかと。

歌の中では極めて限定的な存在である「いつも優しくていい子な君」に向けて歌っているけど、

みんな(ファン・知らない人)に対して思う気持ちでもある。

だからアルバムのタイトルにもなったのかな?と思う。

「シリアスな問題だからこそ、暗くなりたくない」そんな曲調

正直、最初のイメージは「ダヌパ君(=宇多田の息子)が悩みを抱えているらしいが、気安く問題に触れるのも難しい……でも絶対に守りたい!」という親心ソングのイメージで固まっていた。

そっと見守ろうか?それとも直球で聞いてみようか?傷つけてしまわないか♪

ってとことか、めっちゃ「うちの子、いじめにあってるんじゃ…?」とソワソワする親っぽいやん!

が、Spotifyで宇多田ヒカルが語った

(『Time』を作る少し前に)一番の、一番近い友人が脳の、割と珍しい癌の診断があって、、、

Spotify 宇多田ヒカル Liners’ voice plus

という話を聞いてからは、ダヌパ君一色のイメージが変わり、

この曲の”ちょっと違和感を覚えるほどの陽気さ”に納得がいった

私はもともと陽気な歌が好きではないので、BADモードを聴いたときも「やたら?ルンルンしてんな」とか思っていたのだが、

よく考えたらこの曲がシリアスなメロディ・コードだったら色々と重い。

この曲は

「つらそうな君に私は何が出来るかな?逆に迷惑かな?」という思いやりから生まれる、葛藤・不安と、

「何が出来るかわからないけど、どんな時もそばにいる」という覚悟と献身=愛情)が混ざり合った歌だと思うんだけど、

これをシリアスな音楽でやってみ??

――――ちょっと重くない???

あなたがこの歌における「君」だとしたら、

コイツに話すとすっごい悩んでくれちゃうんだよなぁ……。うーん、つらくてもあんま話すのやめとこ……💧

ってなりません?上手くいっても、たぶん『Time』とキャラが被ってしまうし。

メロディが少し陽気なくらいがこの歌には合っているのかもしれない。

その方が「励ましたい!けど暗くしんみりどんよりは避けたい……」という雰囲気が伝わる。

宇多田ヒカル BADモード 和訳

英語歌詞が、パッと見て意味がわかる感じではなかったので、私が調べた内容を書いておきます。

日本語の歌詞は結構シンプルというか素直というか、あんまり深堀りする内容がない・そのまま素直に解釈しているので特に書きません。

サビの後~2番の頭までの英語部分

ジアゼパム=抗不安薬ということはわかったけど、ニュアンスがよくわからない……。

そう思い、この部分について調べたところ、おひさまの和訳ブースというブログで和訳をして下さった人がいました!

Here’s a diazepam (また抗不安薬に頼るのね)
We can each take half of (私達は悲しみを半分に出来るけど)
Or we can roll one up (1人で抱え込んで薬物に頼ることも出来る)
However the night flows (それでも夜は明けてく)

☑️ We can each take half of…

イギリスのことわざの、Marriage halves our griefs, doubles our joys, and quadruples our expenses.(結婚は悲しみを半分にし、喜びを2倍にし、出費を4倍にする)から引用されている歌詞。

【歌詞和訳】BADモード 宇多田ヒカル | おひさまの和訳ブース (ameblo.jp)

最初のHere is~は本来なら「ここに~があります」とか「~をどうぞ」みたいに使うけど、この人は「また抗不安薬に頼るのね」と訳しています。この和訳をした「おひさま」さんは、英語圏に長期留学していたようなので、ニュアンス的にそうなのかもしれません。

ちなみに調べたところ、roll one upとは「巻きタバコ・マリファナ」のことを指すそうです

だから「薬物に頼ることもできる」と訳しているんですね。

終盤の英語部分

You know I’m bad at explaining (ご存知の通り、私は口下手だけど)
But lately I’ve done some maturing (でも最近は少し成長したんだよ)
Won’t you lean on me when you need (必要なときは私に頼ってほしい)
something to lean on

be bad at ~ingで~が下手という意味。explainは「説明する」という意味なので、ニュアンス的には「口下手」が近いかな?と思いました。

lean onで「~にもたれる・寄りかかる」という意味。

一番最後の英語部分

Hope I don’t fuck it up(もうヘマはしませんように)
Hope I don’t fuck it up again(もう二度とヘマしませんように)

fuck it upは「台無しにする、ヘマをこく」という意味。この歌は2番のBメロ最後に

何度、自問自答した?誰でもこんなに怖いんだろうか?
二度とあんな思いはしないと、祈るしかないか

と歌っていることも考慮すると、たぶんこの歌の1人称の「僕」は1回なんかヘマしたのだろう。だから「君」に踏み込むのが怖いのだ。

今よりも良い状況を想像できなくて、抗不安薬が必要なほど、BADモードな君

そんな君に「またうっかり傷つけるんじゃないか」という不安を抱える僕……

それでも「支えたい・力になりたい」という気持ちを伝えたいから、この不安・葛藤と向き合わなければ!!

いまは不安や孤独感でいっぱいで、ちっとも良い未来を想像できないけど、楽しいことをして今を乗り切ろう!

BADモードはそんな「不安と闘う歌」なのかな、というのが私の印象です。

宇多田の作詞のセンスを一番感じた部分

ちなみに私のお気にいりの歌詞は

エンドロールの最後の最後まで
観たがる君の横顔が
正直言うと
僕の一番楽しみなとこ
楽しみなとこ

人が魅力的に見えやすい瞬間?ってあるじゃないですか。

男性なら仕事してる時とか、運転してる時とか、

女性なら鏡の前で支度しているときとか、料理してる時とか、

なんかそういう「ゲレンデマジック」みたいなマジックな瞬間ってあると思うんだけど、この歌の「僕」はエンドロールの最後まで見たがる姿がいちばん楽しみだと言っているのである。

もし何とも思ってない人がエンドロール最後まで見せてって言っても、「あー、こういうの最後まで見る派なんだ~」くらいしか思わないじゃん?

その人が見終わるまでスマホでネットサーフィンでもするじゃん??

でも「僕」は違うのだ。この「エンドロール最後まで見せて!」と君が見たがる瞬間を「可愛い、一番たのしみ」って思う。

これって、相当、

相手のことを愛おしいって思っているよね、と。

山猫

口では彼女のことを褒めないけど、彼女を見る目が優しすぎて、「あんたベタ惚れやな」と一発で周囲にバレる彼氏君を見るような気持ちになる。

「世界でいちばん君が好きだ」みたいな直球の表現より、よほどリアルに「愛おしく思ってる感」が伝わる。

この最後の歌詞で「薄暗い部屋の中で、”僕”がエンドロール最後まで見たがる”君”を微笑ましく見ている様子」が鮮明にイメージできる。

さすが宇多田、上手い……。

あとがき

BADモードについて思ったことを書きなぐりました。

まとまりのない文章ですんません。アルバムとしてのBADモードについての記事はこちらから↓

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