サイト整理中のため、一時的に限定公開の記事が多数出ております。完了までしばしお待ちいただけますと幸いです。(2024年9月26日)

ブサイク保険なるものがあってもいいのではと考えてみたのだけれど。

当ページのリンクには広告が含まれています。

ブサイク保険なるものがあってもいいのではないだろうか。

数年前から定期的にそんな考えが浮かぶようになった。ひどい発想なのはわかっている。

でも「ブサイク保険なんてあってはならない、不必要」と言う方が遥かに残酷だと思うので、私はブサイク保険を提唱する。

それだけ甚大で深刻なハンディキャップだと思うから。

※この記事では便宜上、ブス・ブサイクという言葉を多用しています。どんな言い方をしても失礼に変わりはないので、この2つの言葉を使って説明しています。不快になりそうな方はページを閉じてください……。

目次

私が思う、ブサイク保険の適用者

この記事で私が指すブサイクの定義は「10人に聞いて9人が認めるであろう」な人。

具体的にあげると、「ビューティーコロシアム」とか韓国の整形大変身番組とかに出てくるような人たちである。

本当に、本当に失礼を承知で言うけれど、ああいった番組に出る人たちは目が小さい・細いとか、鼻ペチャとかのレベル(=化粧で誤魔化せるレベル)ではなく、もはやメイクで誤魔化すことすら非常に難しいレベルで、番組を見ていると「これは人生ハードモードだっただろうな…」と秒で察せられるほど。

(たまに「……そんなか?」って人もいるけど)

ひどい豚鼻、顎がない、瞼が腫れぼったすぎてアイプチを弾く、、、

世の中には数%、努力では誤魔化すことすら出来ないブサイクの形式がある。

努力をしても虚しくなるだけのコンプレックスが確かに存在すると、私は思う。

救いのない言葉に聞こえるかもしれないけれど、「努力で外見は変えられる!」と言う方が余程残酷だと思う。具体策を提示しない「頑張ればなんとかなるよ!」という無責任な希望の肯定は、本人の「どうにもならない……」という悲しみを否定することと同義であり、努力不足・自己責任論を押し付けているのと同じだから。

たかが皮一枚、されど皮一枚。

醜さは、彼らの人生を哀しいまでにわかりやすくハードモードにする。学校でも職場でもいじめられやすく、恋愛も不利、就活も不利、とにかく他人に優しくされにくい。

ブスに優しくない世界は、ブスも世界に優しくなれない

ダイエットYoutuberのルイボスさんという人がいる。彼は137キロ→68.5キロの大幅な減量に成功し、史上最強に「嘘だろ」な変化を遂げた人なのだが、彼はインタビューで「痩せたら世界(=人)が優しい」と語った。

それに、痩せてみると、以前のようなイヤな目に遭うことがなくなり、みんなの反応が優しくなった気さえするんです。以前は人目が気になって、人が多い場所には近づくのもイヤでしたが、今は気にならず、どこへでも出かけられるようになりました。

1年で68.5kg減量したYouTuberの、ダイエットを成功に導くモチベーション向上術|OCEANS オーシャンズウェブ

――素晴らしい努力です。体重が落ちてから気付いたこと、変わったことはありますか。 

こんなに世界は優しかったんだなということです(笑)。自分が変われば周りも変わる! 

体重140キロから68.5キロまでダイエットしたイケメンに「本気を出せば人はここまで変わるのか」と驚きの声 ご本人を取材 – ねとらぼ (itmedia.co.jp)

ちなみに下記がそのルイボスさんのビフォーアフター。

https://twitter.com/ruibosu0222/status/1250442182894317569?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1250442182894317569%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fnlab.itmedia.co.jp%2Fnl%2Farticles%2F2004%2F17%2Fnews156.html

例に出しておいてなんだが、彼の場合は分厚い肉を脱いだら中からとんでもない男前が!のパターンなのだけれども。

まぁとにかく私が言いたいのは、「ブサイクは優しくされにくく、人間関係的な被害を受けやすい」ということだ。いい大人は露骨にそんなことをしないが、人間にそういった傾向があるのは事実だと思う。

そして非常~~に哀しいことに、、、ブスは精神的にもブスになりやすい。

目立つと何か言われるから静かに、調子に乗ってあとで虚しくなりたくないから卑屈に、不快な体験で心はひねくれ、自分に自信がないから依存的になりやすい。そんな自分に嫌悪して、苦しくて虚しい。周囲の無邪気な明るい人が憎たらしい。だから棘が出る。

(そして誰かを馬鹿にすることで心を落ち着かせるような、低俗な人間ばかりが近づいてきて、更に人間不信・人間嫌いになるという負のスパイラル。)

誤解しないで欲しいのだが、決して「ブスは性格もブス!」と断定しているのではない

私が言いたいのは「ブスは性格が悪くなっても無理はない」ということ。もちろん程度はあるし、世界にブン殴られても歪まず、まっすぐに生きようとする人もいる。

ただ、以前Twitterで「世界が私に優しくないのに、なんで私が世界に優しくしなきゃいけねんだよ」というツイートを見たが、まさにその通りで。

世界に優しくされず、自分ではどうしようもない理由で迫害され、これだけ人生がハードモードなのに国はなんの補助もしてくれない、、、そら世を恨み、人を憎み、なんかもうタタリ神になってもおかしくない。

ビューティーコロシアムの「フランケンと呼ばれた女」という回に出演した女性は、綺麗になったら何をしたいですか?という質問に、彼女は「仕事がしたいです」と言った。

いったいどんな体験をしてきたら、こんなにも悲しく、切実な返事を即答するのだろうか。

「障がい」と認定されれば社会保障があるけれど、ブサイクは「障がい」とは認められない。これだけ人生において甚大な障害になっているにも関わらず、だ

そこで冒頭の問いに辿り着く。

「ブサイク保険なるものがあってもいいのでは?」

この記事を書くにあたり、私は図書館に行き、美貌はいかに人生に影響を与えるのか・ブサイク保険の類似例がないのか知るべく、『美貌格差』という本を借りた。

『美貌格差~生まれつき不平等の経済学』(書評)

美形は誰が見ても美形、逆も然り。(p39~)

1970~80年頃、アメリカの大学生2500人の容姿を、4人の人間が5点満点で評価した。

すると、全員一致の評価は14%、

3人一致・2人一致が7割。(※女子学生だと67%、男子学生だと75%)

4人がバラバラの評価をしたのはたった0.1%だった。

→ブスだと評価された人は、ほとんどの確率で他の人にもブスと評価されていた。

著者曰く、「美形は誰が見ても美形か?」という問いへの答えは「そうね!だいたいね!!」だそうである。

ブサイク保険の導入にあたり、最も難しい問題は「適用者かどうか判断できるものなのか?」ということ。ブサイクなんて人によるじゃん!という意見は間違ってはいないけれど、上の調査結果を見ると「誰が見てもブサイクのため保険適用可」という判断は不可能ではなさそうである。

まぁ誰がその評価をやるんだって話になってしまうが……もし本格的に導入するのであれば、その課の担当の役人が美容整形の勉強をして、「これは明確に並み以下であり、かつ努力でどうにかなるもんでもない」と判断するのかな……?と想像。

容姿が収入に与える影響(p64)

詳しい方法は載っていないのだけれど、容姿以外の要素(教育・生まれ・年齢など)の影響を考慮し、調整したうえで、容姿が収入に与える影響を算出したデータがあるらしく、それによると、

  • 美女は平均より8%収入が多い。美男は平均より4%収入が多い。
  • ブス(女)は平均より4%収入が低く、ブス(男)は平均より収入が13%低い。

著者はこれを美人プレミアムと、不美人ペナルティと呼んだ。

あれ?たった数%しか違わないの?と思うかもしれないが、リアルに考えてみてほしい。

平均収入を400万円とした場合、美女プレミアム(+8%分)は32万円。

不美人ペナルティ(-4%分)は16万円。

美女とブス女の年収は48万円も違うのである!

ちなみに男の場合はプレミアム16万、ペナルティ52万円で68万円だ。美男プレミアムは小さいが、ペナルティがデカすぎる。

定年(60歳)まで40年働いたとして、トータルでおよそ2000~3000万円もの差になるのだ。

この著者が考える救済策

著者は、「見てくれの不自由な人たちを法律で守るために、いまのアメリカの法律で保護の手を広げられそうなのは、ADA(障害のあるアメリカ人法)だ」と書いている。ADAの「条件を満たす障害のある個人」にブサイクを入れようというわけである。

執筆者:山猫

「不美人ペナルティ」とか、「見てくれの不自由な人たち」とか、この美貌格差を書いているダニエル・S・ハマーメッシュさん、使う言葉になんともいえないヒドさがあるんだよね。読みやすいしわかりやすいんだけどさ。

しかし本書で彼が提案するADAによる保護は「障害を持っている人を差別せずに雇用する、積極的に雇用する」といった、アファーマティブアクション※で、少し私の考えているものと違った。

アファーマティブアクションとは

社会的弱者に一定の範囲で特例な機会を与えることで、実質的な機会の均等を目的とする措置。 例:黒人採用枠・障害者雇用枠を作る、など。

私が考えていた救済措置は「レベルによって何割かの美容整形費用を保険適用にする」という方向。もちろん本人が望む場合に限るけどね。

矯正歯科において、あまりにも歪みがひどく、日常生活に支障をきたす場合(物を上手く噛めない等)は保険適用されるけど、それの延長線というか、派生形でそういうのあればいいのにな~って話。

まぁ、ただの思いつきなんだけどさ

昔、世にも奇妙な物語な物語で「美人税」という話があった。美人は得をしているんだから、たくさん納税しろという話だった。このブサイク保険の話は美人税のコインの裏みたいな話だ。

本当は「彼らがありのままの自分の顔を肯定して生きていける社会」がいいんだけど、残念ながらそれは簡単ではない。だって心無い言葉をなにげなしに吐く人はたくさんいるから。

他人の髪を勝手に切ったら暴行罪になる。でも人の心に何年も残る暴言を意図的に吐いても、1対1なら侮辱罪も成立しない※。人の心に、何年も消えない深刻な傷を残す被害なのに。

執筆者:山猫

まぁ全部成立したらそれはそれで大変だけどね、何も話せなくなるし。

侮辱罪が成立するためにも、やはり「公然と」の要件が必要です。完全に相手と自分しかいない状況で侮辱されたとしても、その内容が他に広がっていく可能性はないので侮辱罪は成立しません。

【図解でわかりやすく】名誉毀損と侮辱罪の要件の違いと慰謝料の相場 | 弁護士費用保険の教科書 (bengoshihoken-mikata.jp)

ここまで読んでおいてもらってなんだが、ブサイク保険は夢物語だ。残念ながらたぶん実現しない。

だからせめて、いつか私が「あのときはこんなこと力説してたけど、いまどきそんな露骨に酷いことする人めったにいないしな~」と少しでも思えるような社会になれば、と思う。

ブサイクが社会に慰謝料を求め、タタリ神になるような世界から少しでも遠ざかるといいなと思う。

ブスブス書いておいてアレだが、うっかり人の容姿を貶さないように、なんのけなしに失礼に冷たい態度を取らないように気をつけよ!と思った、今日この頃だ。

(これだけは言いたいけど、普段はブス・ブサイクなんて言葉、使わないよ!!)

コメントはこちらから↓

    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    コメント

    コメントする

    目次