宇多田ヒカル

クリスマスまで待たせないで♪宇多田ヒカル Can’t Wait Till Christmas 歌詞の意味・難易度について

2020年12月半ば現在、検索窓に「宇多田ヒカル」と入れて真っ先に出てくる「宇多田ヒカル クリスマス」という検索ワード。

10年前の曲なのにもかかわらず、いまだに検索予想の上位に表示されるのかと驚き、せっかくだし季節モノ枠で『Can’t Wait Till Christmas』の記事でも書くか!と思い立った次第である。

さて、クリスマスソングというと、「あなたに会えて超幸せ!プレゼントは君だ!」みたいなリア充爆発ソングか、「あの苦いクリスマスを思い出すよ、いま君は何してるの」みたいな非リア充嘆きソング2極化しているイメージなのだけれど、宇多田ヒカルの『Can’t Wait Till Christmas』は

「幸せ……なんだけど、ちょっと大事なことが抜けてる気がするナ……」

という甘すぎない複雑な心情をしっとり歌いあげた良曲で、個人的には「大人向けのほろ苦い生チョコ」のようなイメージ。

この曲について宇多田ヒカル本人が言及している(おそらく)唯一のインタビューを参照しながら、歌詞の意味・難易度や、この曲の魅力について書いていこうと思う。

歌詞の意味を分析(妄想)してみた

この曲の登場人物を想像してみる

私にとって、この曲における登場人物のイメージは

今よりも明日のために生きる野心家な男と、「別に出世とかマイホームのために稼ぐとかいいから、毎日一緒に夕飯食べようよ…」とやるせなく溜息をつく、クリスマス会う約束はされている(=本命)の女、である。

「大好きな彼がいて、クリスマスに約束はしている」けれど、

彼女が本当に望んでいることと彼が頑張っていることが微妙にすれ違っている、というリア充ではあるものの浮かれモードではない、甘すぎないリア充ソング。

歌詞を追って、私がそう妄想した理由を順に説明しようと思う。

歌詞を分析

クリスマスまで待たせないで

いたずらに時が過ぎてゆく

なんでもない日も側にいたいの

I’m already ah loving you

クリスマスまで待たせないで♪ということは「クリスマスを一緒に過ごす約束はしている仲」ということである、つまりこの女性は本命彼女ポジションと考えられる。

いたずらに=無駄に、という意味。「ただただ味気なく時が過ぎていく」くらいの意味かと思う。

なんでもない日も側にいたいの♪=「クリスマスとか誕生日とかは空けてるでしょ、じゃなくてさ……」という気持ちと想像。おそらくyou(彼)はイベントだけ過ごせばいいでしょ、と考えているタイプ。(いるいる)

I’m already ah loving you = 「私は既に貴方を愛してる」

長い冬は何を想う 

春になればみんな旅の支度

私たちの季節はもうすぐ

春の旅支度=新学期、卒業、転勤、異動?

私たちの季節=2人が一緒に過ごせる時期のこと?となると、歌詞の世界はクリスマス目前であることから、私たちの季節=クリスマス~年末年始の休み(冬休み)を指すと思われる。

クリスマスまで待たせないで

街中が君に恋してる

かっこつけないでよ私の前では

I’m already ah loving you

街中が君に恋してる♪=一般人だけど街中が知っているほど有名な人なのか、芸能人なのか、はたまた只の比喩なのか?

かっこつけないでよ、私の前では♪=いつも私以外の人の前ではカッコつけているということ→地位のある人?(役職持ち、有名人)

このかっこつけないでよ♪からのI’m already ah loving youは染みる。「わかってるのよ、カッコつけてるの」「安心して、カッコつけてない貴方を好きになってるから」という包容力を感じる。

白い雪が山を包む

渡り鳥がしばし羽を閉じる

二人きりのクリスマスイヴ

渡り鳥がしばし~♪は「忙しい彼(渡り鳥)が、仕事を休む」という比喩?

二人きりの♪→「やっと2人で過ごせるね」という静かな喜び?

しかし・・・

会う度に距離は縮むようで

少しずつ心すれ違う

約束事よりも今の気持ちを聞きたくて ah

物理的に距離は縮まるものの、話していてなんか違和感を感じる……。

約束事よりも~♪は下記のような女性あるあるのモヤモヤを指しているのかな?と想像。

「約束事よりも今の気持ちを聞きたくて♪」

約束したから(例:付き合っている・婚約した・結婚式で誓いを立てた)私と一緒にいるのか、

私を好きだから(=気持ちがあるから)私と一緒にいるのか。

執筆者:山猫

男性からすると、「好きだから付き合ってるんじゃん」という話だけど、女性としては「惰性で付き合ってるのかな」と不安になるっていう。

実際、「振るのもダルいし、泣かれたらヤダし」とズルズル付き合う男は少なくないしね……。

クリスマスまで待たせないで

人はなぜ明日を追いかける?

恐らく、明日には2種類の意味があって

➀明日=クリスマス当日、25日。

サビ直前に「クリスマスイヴ」とあるため。ここは「なんで12月25日(or24日)をそんなに特別扱い・重要視するの?ただの「日」じゃん」という素朴な疑問かと思う。

②明日=未来(今ではない部分)

後述の宇多田ヒカル本人の発言から察するに、「先のことも大事だけど、一番大事なのはいま目の前にいる大切な人を大切にするっていうことだよね?明日(未来)ではなく今日を生きろよ」という意味と分析。

この②の意味に念を押すのが・・・

大切な人を大切にする

それだけでいいんです

I’m already ah loving you

執筆者:山猫

それだけでいいんです♪って言いきってますね。思えば、

「大概の問題は取るに足らないよ♪」(『あなた』)

「もっと話そうよ、目前の明日のことも。テレビ消して私のことだけを見ていてよ」(『光』)

「いつか結ばれるより、今夜一時間会いたい」(『Be my last』)

などなど、いろんなとこで「大事なのは今なんだよ!テレビ見たりとか、未来の小難しいこと考えなくていいから、シンプルに目の前のこと(私含む)を大事にしやがれ!」と仰っております。

宇多田が言いたかったこと(インタビューより)

本人曰く、「5つある新曲の中で一番恥ずかしい曲」とのこと。(どこで言っていたかな……。)

多分、この曲がすごく素直な歌詞で、超かわいいからこそ恥ずかしいのかと思われる。「ひぃ~、カメラ目線で上目遣いするの超はずい!!」みたいな。

「パッと、《クリスマスまで待たせないで》っていうフレーズが最初に出てきたんで、そのまま、超かわいいみたいな(笑)、楽しい、ベタなクリスマスソングの感じにしようと思って、ピアノで創り始めたんですね。ところが書いていくうちに思ってたほどポップじゃない曲になって。結局、歌詞も渋くなった」

「うん、ただのクリスマスソングじゃなくなってきて、やっぱりこうなっちゃうんだな私はって、自分で納得しました。」

音楽の中の君がいる 2 p122 宇多田ヒカル本人の発言より引用。 

「その、何を待ってるんだ?という。曲の最後の方でも《人はなぜ明日を追いかける?》って書いているんですけど、周りの色んな方面で頑張ってる人とか見ていても、一番大事な家族に寂しい想いをさせないとか、そういう点が欠けていたり今できる、今するべき一番近くにあることができていなかったり。自分のことに責任を持つってどういうことなんだろう?そこを抜かして先へはいけないだろうっていうことがもっとあるような気がして。

音楽の中の君がいる 2 p122 宇多田ヒカル本人の発言より引用。 

「その何を待ってるんだ?っていう」というのが、前後を読んでもよくわからなかったのだけれど、Twitterで本人がタイトルの和訳を出しており、

「クリスマスまで待てない、って意味だよ」と言ってるので、恐らくこの「何を~?」は

「何をそんなクリスマス(25日)を重要視して、そこに合わせてるんだよ、待ってるんだよ、そこを重要視する意味がわからん。」

といった意味かと私は解釈した。

『Can’t Wait Till Christmas』の良さを語る。

リア充ソングではあるものの、聴いていて「ケッ」と思うほど甘くないところ、歌詞の美しい風景描写や、ピアノのシンプルな旋律から「きよしこの夜」のような素朴で静かなクリスマスをイメージさせる音楽全体の“大人感”

そして何より、、、

この曲、、伴奏がシンプル構成のピアノ演奏だけなので、宇多田ヒカルの最大の武器である、儚げで切ない、息多めの歌声と繊細なビブラートが物凄く映えるのである。

速いテンポで音程の激しい歌も難しいけれど、ゆっくりのテンポで落ち着いたメロディをしっとり“聴かせる”のはそれはそれで難しい。「味気ない」と「上品な味」は紙一重なのと同じだ。

執筆者:山猫

温野菜みたいな歌だなと思います。ただ茹でるだけ・派手な調味料でごまかせないので、素材の味(=声)や食感(=表現力)がダイレクトに評価されるという……。

上記の温野菜に続いて食べ物の例で恥ずかしいが、この曲に対する私のイメージは「大人向けのほろ苦い生チョコ」である。

外側にまぶしたココアのようなほろ苦い歌詞、

息多めのソフトな歌声が作りだす、パウダリーで柔らかい曲全体の雰囲気、

ロマンチックな口溶け感、とろける甘い素直な気持ち!

まさに、常温の生チョコソング。ペプシではなく、明治とか森永とコラボすべきだったのだ。くまちゃん型のチョコとか入れたら、めちゃくちゃ売れたであろう。

甘すぎないココアを飲みながら聞きたい歌とも言える。

(どこまで食い物で例えるのか)

『Can’t Wait Till Christmas』の難易度

難易度★★★

メロディ★(比較的、高低差もなく、ゆるやかなメロディ。ただ、曲がゆったりしていて、音を外すと目立つので音程はノーミスが望ましい。)

リズム★ (リズムも激しい変動なし)

聴かせる難易度 ★★★★(伴奏が超シンプルな上にメロディにも派手さがない。歌本体への注目が大きいため、聴かせるには細部まで気を抜かなずに声の使い方※を工夫する必要あり。

※歌い出しを尖らせない・語尾にウィスパー&ちりめんビブラートで儚さを表現する、等。

意識すべきは

  1. 安定感(速くならない、音を外さない)
  2. 優しさを感じる声(手っ取り速いのは息を多めにすること。声の輪郭がぼんやりすることでソフトに聞こえる)
  3. 雪のような儚さ(語尾はウィスパーボイス&ちりめんビブラート)

※ウィスパーボイス・ちりめんビブラート等については今後「宇多田ヒカルの歌い方・それっぽくなるコツ」という記事を書く予定なのでそちらで説明しますね。

文字で歌い方を説明するのにも限界があるので、近いうちにYoutubeで『Can’t Wait Till Christmas』の歌い方・コツを発信しようかと思っています。動画が出来たらリンク載せますね♪

【おまけ】もう一つの宇多田クリスマスソング。Merry Christmas Mr. Lawrence

実は宇多田ヒカル、Utadaという名義でもう1つクリスマスソングを出しています。それが、『Merry Christmas Mr. Lawrence』です!

この曲、坂本龍一の『戦場のメリークリスマス』をサンプリングした楽曲なんですが、宇多田のアレンジがす~~~ごくオシャレで、ノリがいい曲なので、ぜひ聴いてほしいです!

youtubeに転がってるライブ歌唱も素敵なので、ぜひぜひぜひ。

執筆者:山猫

 英語わからん……って人も大丈夫です!私はCD付録の和訳の歌詞も持っていますが「うーん、よくわからん!」ということで、歌詞の意味はまるで把握してません!(笑)

宇多田の声質・フェイクの上手さを味わう曲だと思ってるので、問題ないのです。

できればこの曲についても書きたかったのですが、果てしなくなりそうなので今回は見送ります( ̄▽ ̄;)

それでは!Merry Christmas!!

執筆者:山猫

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