コラム

自己肯定感が高すぎて、派遣をクビになったときの話。

このタイトルを見て、あなたはこう思ったのではないだろうか?

「いやいや、単にお前が仕事できなかっただけじゃね?自己肯定感が高すぎてクビ、ってなんだよ(失笑)」

私自身、このタイトルを見てセルフツッコミしたくなるので気持ちはよくわかる。

先に言っておくと、もちろん私にも非はあった。接客業バイトの経験しかなく、オフィスワークは初めてだった当時21歳の私は、知らず知らず失礼なことをしでかしてしまったりもした。

とはいえ、もし私の仕事ぶりや勤務態度に明確な問題があるのなら人事評価も悪いはずである。しかし、ぶっちゃけ人事からの評価は「素直だし、仕事を覚えるのが早い」とそれなりに高評価で、辞めるときなど

1人の人事からはトイレでバッタリ会ったとき、「こんなことになってゴメンなさいね、トラウマになったりしないか心配で……」と謝られ、

もう一人の人事からは「君のことは娘みたいに思ってるから、何かあったらいつでも連絡しなさい」と電話番号を貰った。私のデスクから5メートルもしない場所で彼は働いているので、私の仕事ぶりは同じチームの人並みに見える。

この人事の人達の行動から察するに、”まぁまぁ理不尽な理由で首をちょん切られた”という思いは私の被害妄想……という訳でもなさそうなのだ。

なにより、当時の派遣の担当者から私はこう言われたのである。

担当「あの……本当に言いづらいんだけど……同じチームの少なからぬメンバーが貴方のことをよく思っていないみたいなの。その……態度が堂々としすぎというか、ふてぶてしすぎるって……」

執筆者

この話、実は「本当にあった怖い話」でもあります。

私はこの出来事で「本当にいるんだ……怖いお局様って……」とゾッとしました。

背景

その会社のイメージが下がると申し訳ないので名前は出さないけれど、日本国民の99.9%が知っているであろうグループの子会社で、公務員レベルに安定した会社とだけ書いておく。これは大げさに書いてない。

3か月派遣で働き、よっぽど問題がなければ2年の契約社員に。時給は1500円で残業はほぼなし。家からも近いし、超安定。

学歴もスキルもない21歳だった当時の私にとってこんな好条件の仕事はなかなか無かったので、「ありがたや、頑張ろう」と意気込んでいた。

ところが、最初の1か月は私のPCの準備が間に合わず、毎日7時間半ずっとデスクでじっとしていることが勤務になってしまった。

いままで1100円のカフェバイトをしていた私は、暇だし、「なにもしてないのに1500円…」と肩身は狭いし、「なんか手伝えることありませんか?」と聞いても「うーん、あるかなぁ……」と”私にも出来る仕事を振る”という労力を割かせてしまって申し訳ないし・・・。

当時は「仕事をください」という気持ちが強すぎて、”仕事の乞食”と化していた。掃除でもお茶くみでもパシリでもいいから仕事が欲しかった。

普通にしているつもりでも「生意気」と受け取られやすいのは自覚していたので、少しでも役に立つことで安心したかったというのもあった。

無意識にかなり気を張っていたのだろう。帰宅すると化粧も落とさず飯も食わず気絶するように寝て、しかし10時間寝ても朝起きるのがしんどかった。

そんな感じで1か月が過ぎたころ、勤務中に派遣の担当者が来て別室で2人で話そうと言われた。

事件は派遣1か月目の末に起こる

担当:どう?調子は?

私:みなさん、優しいです。出来ることが少ないのとPCが来ない時期は暇すぎて辛かったですが……

担当:よかった。人事の人もすごく褒めてるよ。特殊なシステムだけど覚えるのが本当に早いって……ただね………………

私:…………ひょっとして、なにか私しでかしましたか?

担当:あなたが凄くいい子なのは知ってる!
人事の○○さんもすごく褒めてる……んだけど……。同じチームの少なからぬメンバーが貴方のことをよく思っていないみたいなの」

私:「……えっと、ごめんなさい、自分では素直にやっていたつもりだったのですが、具体的にはどんなところがダメだったのでしょうか……?私はここで働きたいので、、直すのでどうか教えてください」

担当:例えばね、1個言われたのが、あなた沢山質問するでしょう?いきなり質問するんじゃなくて、「すみません、いま質問よろしいですか?」って言うべきだと……。

私:…………え……あの、私もさすがに質問する前に「すみません」ってつけてますし、教えて貰ったら「ありがとうございます」って伝えてるんですけど……?

担当:うん、でも質問って上司の時間を奪う、向こうの仕事を止める訳じゃない?「いま質問よろしいでしょうか?」って、こう……もっと畏まって聞くべきだったのかも……

私:……なるほど……えっと、他には?

担当:あと……休憩中にデスクで突っ伏して寝てたって聞いたんだけど……一応、オフィスで周りは仕事してる訳でしょ?いくら休憩中でも……って

私:そうだったんですね……ごめんなさい、休憩中ならいいだろうと……非常識でごめんなさい。

担当:……でも向こうとしては、一番はやっぱりその、態度というか雰囲気らしいのね。言いづらいんだけど、ふてぶてしすぎるというか……堂々としすぎというか……。

人事の人いわく「少なからぬメンバーがそう思っており、特に若い人から強く反発が出ている」って……。

私:……わかりました。ごめんなさい、今後は気を付けます。こんなことにあり申し訳ございません。言いづらいことを言わせてごめんなさい(号泣)

担当:そんなに気を落とさないで!本当に人事評価はすごくいいの!あなたが出来る子ってわかってるから。頑張って契約社員になろう!!

―――――という、話だった。

みなさん、紅天女候補なの?

「生意気」と言われないよう気を付けていたつもりだけど足りなかったのだ。私はおかしいんだ、という気持ち。

「そんなことで??!そこ?!ちっちゃ!!」という気持ち。

それもあったが私が最も驚いたのは「少なからぬ人がそう思っていて、特に若い人から嫌われている」という点だった。

みんな優しいな、と本気で思っていた。強いて上げれば、部長(以下、お局様)には嫌われてるかも……?ってくらいで、他の7~9人には嫌われていないと思っていたのだ。

「特に若い人」と言われて思い浮かぶ人は1~2人。私の指導をよくするのはTさんという24歳の女性だけど、私をイヤに思ってそうな気配は感じたことがない。可愛くて優しい人だ。

でも……みんな私を嫌いならしい。

これがショックだった。誰から嫌われているのかわからないのが怖かった。みんな優しいけど、実は心の中では(この子、うざ)って思ってるのかな?と思うと、怖いし悲しいしで涙が止まらなかった。

みんな演技上手すぎじゃない?北島マヤなの?紅天女候補なの??

社会人ってこうなの?こんなに完璧に嫌悪感を隠し通せるもんなの??

そんなことを考えながら泣きはらした顔で業務に戻り、その日は電車に乗るのがイヤで泣きながら3時間歩いて家に帰った。

「質問よろしいですか?」って毎度聞く方が時間を無駄に奪うんじゃねーの!!?ふざけんなクソったれ!という気持ちで一杯だったが、

でもあれがこの国の普通の会社なんだからあれが普通なんだ。私がおかしいんだ。家賃も趣味費も稼がなきゃいけない。私は雇われなんだ。働きたいなら私が直さなきゃ。

2か月目~

次の週(派遣2か月目)から私は「すみません、質問よろしいですか」を付けることを徹底し、いままでの1.4倍明るく素直に働くようにした。

PCも届いて仕事を出来るようになり、お局様が違うチームに異動して、本社異動で2人の社員がチームに増えた。

彼らに「面白いね!」「テキパキしてる」と言って貰えたり、チームの人とちょっとした会話で笑うことも増え、思ったよりは息苦しくなく仕事出来た。

ところが、この本社の異動でチームに2人もスタッフが入ってくれたため、私の仕事がなくなってしまった。

人事の人は「せっかく特殊なうちのシステムを使えるようになったのだし、別のチームに入れて残してあげよう」と尽力してくれたそうなのだが、

「え、あの子、すごい問題のある子って噂で聞いたから嫌だ」と他チームから拒否され、どこにも入れられなかったとのこと。

そんな訳で派遣2か月目の末に「本当に申し訳ないが3か月目でやめてほしい」と、首をちょん切られてしまった。

嘘でしょ…?まさかの事実が発覚する。

「おま……そんだけ嫌われるってヤバイじゃん」と思うだろう。私も思ったよ。この話を聞いた友人も「やべぇな」って言ってたよ。

が、その数日後、衝撃の事実が発覚する。

あーあ、せっかく馴染めてきてたのになぁ……しゃーない、残り1か月頑張るぞ~と仕事していた、3か月目のある日のことである。

Tさん(=人事曰く私を嫌っている女性社員)と二人っきりで仕事をする機会があった。他の人はお昼休憩で誰もいない。

Tさんは相変わらず優しいので、私は(嫌われてるのかな……?そうは見えないんだけど)と思いつつ、和やかに話して働いていた。

すると、Tさんが突然こう言ったのだ。

Tさん:山猫さん、今月で辞めちゃうんでしょ?今度二人でランチでも行かない?

あまりにビックリして、私は泣いてしまった。当然のことながらTさんもビックリして「え?どうしたの!?」と聞く。

私:実はこれこれこういったことがあって……。だからてっきり、さぞ嫌われているもんだと思ってたのでビックリして……

Tさん:え?そうなの?!てっきり山猫さんがウチの会社を辞めたくて辞めるんだと思ってたんだけど……。ていうか私、そんなこと言ってない……。

これ、多分ホントにTさん何も知らない。

辞めることになって何人かの他の社員とも「実はこういった事情で」と話したのだけれど、みんなTさんと同じく「え?そんなことあったの?!山猫さんがウチを断ったんじゃないの?!」とのこと。実際みんな最初から優しかったし。

仮にTさんがホントに私を嫌っていてそれを人事に伝えたとして、辞めることになった私に同情・罪悪感を感じたとしても、せいぜい退職日にお菓子を渡すくらいだろう。わざわざランチに誘うとは思えない。

(なんなら辞めた後もTさんとは1回ごはんに行ってる)

つまりTさんは私のことをそんなに嫌っていない。たぶん最初から。

また、みんなが紅天女候補でもない限り、3か月フルタイムで働いていた私に一切その嫌悪感を感づかせないなんてことは無理なのでは?と思っていた。相談した友人にも「それ、本当にそんなに嫌われてたらイヤでも気づくでしょ」と言われた。

だからたぶん、みんな「ちょっと変だけど、一生懸命だし覚えるの速いし、まぁいっか」くらいだったんじゃないかと思う。

ではなぜ「チームの少なからぬ人が」「特に若い人から反発が」と人事に告げられたのか?

お局様からは嫌われてるっぽい雰囲気は感じたが、まさか大人の、それも管理職の女性がそんなことをするなんて、まさかまさか……と思うが、これしか考えられないのだ。

お局様が「あの子ヤバイです。みんな言ってます。評判最悪です。特に若い人が言ってます」って人事に伝えた……????

なぜ「自己肯定感が高すぎて」なのか?

私が(お局様に)嫌われた理由は、「ふてぶてしいから」というのは派遣の担当から聞いたので間違いない。

というか、もし他に理由があるなら言っているはずだ。そんな言いづらい抽象的な理由を前面に押し出すわけがない。デスクで寝るとか、「質問よろしいですか」等も坊主憎けりゃ袈裟まで憎いで、私のふてぶてしさに腹が立つから目に付くだけで、それ自体が重大ではないのだ。

でも私は普通にしていたつもりである。なんなら「いつも生意気って思われるから気を付けよう。素直に頑張ろう」と気を付けていたくらいで、その努力の成果は人事の評価・チームの他メンバーの評価に表れている。

なぜ一部から強烈に「ふてぶてしい」と評価が?

そのお局様や、バイト先などで”普通のつもりの私”を生意気と評した人たちは似ている。少し気が強くて口調もキツイ・周りの目を気にする・でも仕事は出来る女性だ。

……失礼だけど、嫌~な言い方だけど、あくまで私の想像だけど、彼女らが私を嫌うのはこういう心理なのかな?と思っている。

「なんでアンタ、ただの21歳の小娘なのにそんな堂々としてるの?もっと畏まるのが普通でしょ?(私はそうしてるわよ)。可愛げがない。」

確かに20代前半の女性にしては異常なくらい、私は堂々としている。(らしい)

どこに行っても主婦・子持ちと思われるし、バイトのヘルプ先では「え?別店舗の社員では?」と本気で言われる。(ルックス・話し方・内面が老けているのもある……泣。

ただ普通にしてるつもりなのだが、どうやら一般的な若い日本人女性はも~~~~っと畏まって、自信がなくて、周りを見て、自分を殺して生きているらしく、私のようにふてぶてしくないそうである。

以前、自己肯定感についての記事を書いたのだが、そこで下記のようなことを書いた。

そして20数年生きてきて、たまたま私の周囲に自己肯定感が低い人が多かったのではなく、自己肯定感が低いのは日本人の国民性の1つなんだなと知った。

失礼を承知で言えば、私からすると「卑屈がデフォルトな社会」だったのだ。

私にとって「卑屈」と思えるほど畏まってはじめて、私は日本社会の普通に馴染めるのだ。うーん、なるほど。

自己肯定感とは何か?日本人の自己肯定感が低いのは謙遜の文化で○○が下手だから??日本人の自己肯定感が低いのは、謙遜の文化によって「自己価値を肯定するのは、はしたない」という意識が刷り込まれているからでは?しかもその結果、自分も含めて”人を褒めるハードル”が高くなってしまったからでは?という仮説が生まれたので、ここに書き残します。...

普通にしているつもりなんだけどな~💧

私は別に「私のやり方、正しい!私は出来る人!」と思って、堂々してる訳ではない。ただ、どんなアウェイな場所に行っても、そこで自分の立場が低くても委縮しない性格ではある。

自己肯定感が高すぎて、どこに行っても「私ですが何か…?」ぐらいの気持ちで突っ立っていられる。

敬語は崩さないし、「お役に立てることありますか?」と言うなど、行動を文字にするとヤバイことはしていないが、「私ですけど何か…?」というケロリ顔で平然としている態度が、向こうの気に障るのだと思う。

まぁ……ふてぶてしいのは認めますよ……。

でもね……一言いわせてほしい。

「敬意がない・足りない」って言う人に思うのが、

執筆者

なぜ尊敬してもらえる前提なんですか?

人間として最低限の敬意は払っていますよ。敬語は崩さないし、仕事はあなたの方が出来るから、あなたの意見を参考にするし。

でもそれだけ。どんなに偉いのか知らんけど、同じ人間でしょ?ホモサピエンスでしょ?

私はこのスタンスで生きてるけど、基本的にほとんどの人とは問題なく付き合えてますよ。

あなたが私に「敬意がない」って感じるのは「自分は上の人間だ・尊敬されるべき」という思いが強いからでは?

あなたが私を見下しているからでは?

書いていて思いました。

こんな考え方してっから、嫌われんだよ、と。

(でも本当にこっちは普通に接しているつもりだから、「敬意が足りぬ!」と言われると、どこの国の王族でしょうか?って思うんだもん……。)

長くなったけど

当時は号泣したし、色々と悩んだけれど今となっては良い経験である。最終日にはチームのみんなで送別会ランチをしてくれたし、

自分は普通にしているつもりでも、それはこういう結果を生み出すほど、変(=少数派)なんだなとわかったから。

書いてたらすごい長い記事になってしまった……すんません。

ただ、自己肯定感が高すぎると、それはそれで生きづらいのよってことを伝えたかった。

それでは。

執筆者:山猫

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